オウンドメディアとは?美容室に置き換えて意味と戦略をまとめてみた

ホームページ運用

WEBに精通している美容師さんや美容室の広報(WEB)担当者の方から「オウンドメディア」という言葉をお聞きする機会が増えてきました。また「オウンドメディア」という言葉が出なくても、「ポータルサイトから脱却して自店のホームページを活用したい」「ホームページをもっと見られるようにして集客に繋げたい」など、ホームページを見直す動きが感じられます。

結果的にこういったサロン様や美容業界のニーズ、というよりも、時代の流れが「オウンドメディア」という言葉を流行らしているのかもしれません。オウンドメディア(owned media)という言葉は、「オウンド(owned)」が ‘自らが所有する’ 、「メディア(media)」が ‘媒体’ を意味し、合わさっていますので、「自ら(自店)が所有する媒体」と訳して良いでしょう。美容室の場合、自店で作成したパンフレットやホームページがあてはまります。

オウンドメディアの位置づけ

「オウンドメディア」と並んで、「ペイドメディア」「アーンドメディア」というものがあります。この3つ合わせてトリプルメディアと言われています。

美容室メディアの具体的ツール

  • オウンドメディア・・・ホームページ、カタログ、パンフレットなど
  • ペイドメディア・・・ネット広告(リスティング等)、タウン誌、ポータルサイト、雑誌など
  • アーンドメディア・・・FACEBOOK、Twitter、Instagram、Pinterestなど

最近よく言われている「オウンドメディア」では、「自ら(自店)が所有する媒体」の中でもホームページを指していることが多くあります。さらに言うと、「自店サイト内でユーザーに有益なブログを運営しているホームページ」と言っても良いのではないでしょうか。大切なポイントとしては、従来の外部サービスで更新していたブログと違い、ブログの質が問われているということです。

 

美容業界でオウンドメディアが注目され重要視される理由

1.消費者に届く情報洪水

スマートフォンの普及により、ここ数年でネットメディアやSNS、WEBサービスがどんどん増えてきました。消費者は、様々な媒体から情報を取得できるようになりました。また、消費者自身が情報を発信できるようになってきました。自分に合った情報を、必要な時に必要なだけ取得するようになったのです。折込チラシさえしていれば地域のお客様が集客できるといった戦略が通じにくくなってきました。(折込チラシは依然として有力な方法ですが、やり方が変わってきました)

2.上位表示される仕組みの変化

以前は自店のホームページを上位表させようと思えば、「リンクをたくさんはる」というのが多い施策でした。SEO業者もこういったやり方をされている事が多く、実際に上位表示がされていました。しかしGoogleのアルゴリズムのアップデートにより上位表示されるには、「コンテンツの質」が重要視されるようになったのです。数年前は、美容室へのSEO業者がたくさん入ってきていましたが、最近では数がかなり減ったように感じています。「リンクをたくさんはる」といった方法では成果が出なくなったからです。

3.情報がストックされる価値に対しての認識の高まり

美容業界で多かったのは、外部のブログサービスを利用したり、各SNSを活用して顧客やユーザーと繋がる方法でした。しかし、これらのサービスはユーザーから時系列で認識されることが多く、せっかく更新した内容を振り返る手段が多くありませんでした。自店のサイトでアーカイブを用意し、表示方法を工夫することで、公開しているコンテンツの価値が継続することに注目が集まりつつあります。

4.ソーシャルメディアとの相性が良い

良質なコンテンツであればある程、ユーザーはその情報を必要と感じることでしょう。また、そのコンテンツでしか知りえない内容であればユーザーにとって価値が高まります。美容師さんは、FACEBOOKやTwitterなどのソーシャルメディアを活用されている方が多く、今までも自店(自身)の活動(ブログや撮影写真など)を投稿されていました。馴染みのあるソーシャルメディアとオウンドメディアによるコンテンツは相乗効果が期待できます。

 

 

オウンドメディアの強みと弱み

強み① 【未来店客へのリーチ】

一人ひとりと接点をもつツールは従来も様々なものがありました。ただし基本的には、顧客情報(メールアドレスやソーシャルメディア情報など)と紐づいた状態でのアプローチでした。お店に来店されたことのない方に対してお店から発信する情報を届けるのはとても難しいことです。サイト内で良質なコンテンツを更新する事によって、未来店客(お店に来店された事の無いお客様)に対しても、今の時代は情報が届く可能性がでてくるのです。それは下記のような背景があるからです。

  • ソーシャルメディア普及による拡散
  • Googleのアルゴリズム(上位表示させる仕組みの変化)

 

強み② 【ロングテールキーワードの流入によるアクセス増加】

サイト内でブログが充実することにより様々なキーワードで流入が期待できます。実例をふまえた記事を公開していますので、詳しくは美容室のSEO | ロングテールによるアクセス数UP成功事例をご覧ください。

http://kart-press.com/seolongtail

 

強み③ 【コンバージョン(WEB予約クリックや電話番号のタップ等)の導線】

サイトに流入したユーザーがコンバージョンに至るまでの導線を確保することができます。外部サービスを使用している場合は、自サイトへのリンク設置の配置など、障壁が存在します。サイト内で情報を発信することによって、「グローバルナビゲーション」「サイドバー」「フッター」などユーザーのページ遷移のストレスを軽減することが期待できます。

 

弱み① 【運用(更新)に時間と手間がかかる】

良質な情報をブログとして発信する場合、「とりあえずその日の出来事を更新する」といった感覚で取り組むことが出来なくなります。一定以上の品質と定期的な更新頻度を保つためには、ブログを更新するためのコスト(時間・人的)を想定しなければいけません。なにより継続することが大変です。あらかじめ、下記項目のような決まりや目安を設定しておくと良いでしょう。

  • ブログ本文の文字数を1000文字以上にする
  • 画像を3点以上使用する
  • 1週間に〇回更新する
  • 文字や文章のチェックを第三者にて1回実施する
  • ブログ作成時間を1記事に対して2時間とる  etc

 

弱み② 【すぐに成果に繋がりにくい】

今までの美容室の広告・販促といえば、「ポータルサイトでクーポンを訴求」「折込チラシでキャンペーンを開催」「期間限定の紹介キャンペーンを実施」「顧客に新メニュー導入のDMを郵送」など、すぐに新規集客に結び付くものが多くありました。広告(販促)費用に対して、来店が〇名と計算でき、費用対効果の検証が難しくありませんでした。

しかし、オウンドメディアでブログを更新する際に重要なことは、「ユーザー目線でのコンテンツ更新」です。メニューや商品の訴求がメインになってしまうとユーザーは遠ざかってしまいます。「ユーザーが求める情報」を継続的に発信することにより、関係が構築され、結果として来店に結びつきます。コンバージョン(新規集客)と合わせてKPI(重要業績評価指標)を設定し、PDCAを回すと良いでしょう。以下は、KPI(重要業績評価指標)の例となります。

  • アクセス(セッション)数
  • 新規流入数
  • 検索(オーガニック)キーワード流入数
  • 商圏内ユーザー数
  • リピーター数の増減
  • SNSによるコンテンツリーチ数&シェア数  etc

 

まとめ

このように美容室で自店のホームページを充実させるメリットはたくさん存在します。今の時代、消費者に選ばれる美容室になるためには、「やるべきか?」というよりも「どう取り組んでいくのか?」を考えざるえない背景があります。自店に合った運営方法でお店のウリをサイト内で表現し、ターゲットにリーチすることができれば、中長期的にお客様が集まるお店になるのではないでしょうか。

 

 

 

2018年2月13日ホームページ運用

Posted by 長沼 大樹