美容室のECサイト・ネット販売戦略。PB商材で通販売上を確保する方法。

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美容室などのサロン様からご相談頂く案件で増えていいるのがECサイトです。ECサイトの言い方は様々ですが、「ショッピングサイト」「ネット販売」「Eコマース」「オンラインショップ」「ネット通販」などの事を指しています。

実際に運営に関わらせて頂くサロン様でもECサイトで数百万円の売上を計上している事もあります。また簡易的なECサイトでお店に来店された事がないユーザーがECサイトで顧客になっているケースもあります。

今回の内容はお店でオリジナル商品があったり、今後OEMや開発をお考えのサロン様には販売戦略の1つとして参考にして頂ける内容の記事になっています。美容メーカーさんの商品はサロン専売のものがほとんどになりますので、あくまでPB(サロンオリジナル商材のシャンプーやトリートメント)のECサイトによるネット販売の事について記載しています。

美容業界のネット通販の背景

そもそも、美容メーカーさんの商材はサロン専売品になっているものがほとんどです。美容業界内では横流しなどの問題が常にあり、美容メーカーさんによっては取引額の大きい美容室であっても、ネット販売が明るみになると取引停止といった対応をされる事も耳にします。

こういった背景もあり、美容室では今まで自店のECサイトを運営しているところはほとんどありませんでした。顧客のみがログインできるクローズドなECサイトを用意してネット販売している美容室もありますが、成功しているお店は一握りです。

しかし、美容業界でもオープンなECサイトでシャンプーやトリートメントを販売するお店が少しずつ増えてきました。これは、オリジナル商材(PB)の開発やOEMなどで独自の店販商品を扱っているから出来ることです。しかし、ネットで販売できるようになっても、顧客以外のネット上のユーザーに購入してもらう事は一筋縄ではいきません。

PCと本

それでは、これからオリジナル商材でオープンなECサイトの運営をはじめる美容サロンにとって、ECサイト(オンラインショップ)で売上を上げるためにどういった戦略をとっていけば良いのでしょうか。弊社でも美容室のオープンなECサイトの取扱いが少しずつ増え成功事例がでる中で、ECサイトを成功させる為の方法をまとめてみました。

そもそもECサイトとは?

ECとは、electronic commerce(エレクトロニックコマース=電子商取引)の略で、商品やサービスを販売することの出来るインターネット上にあるサイトの事です。

恐らくこの記事をご覧の大半の方は、ネットで何かしらの物を購入した経験があるのではないでしょうか。本などの書籍、服、家具・家電、ギフト、化粧品、食品、電子機器など、リアル社会で購入できるほとんどの物がネットでも購入できるような時代です。ネットで物を販売しているサイトは様々です。そして、美容室がオリジナル商品のシャンプーやトリートメントを販売するにはどういったECサイトで販売すれば良いのでしょうか?

ec

ECサイトは大きく分けて2つのタイプ

Amazonや楽天市場などの『モール型ECサイト』と、自社で販売している商品やサービスのみを掲載している『独自店舗型ECサイト』といわれるものがあります。美容業界で『独自店舗型ECサイト』の例だとMTGさんの公式通販サイトなどが該当します。

それぞれ特徴がありますが、パターンでいうと下記のようになります。弊社が関わらせて頂きながら成功事例が出てきているのは、『独自店舗型ECサイト』のパターンです。

独自店舗型ECサイト

・オープンサイト → MTGさんなど
・クローズドサイト → POS会社さんが提供している会員制ECなど

モール型ECサイト

・マーケットプレイス型 → アマゾンさんなど
・テナント型 → 楽天市場さんなど

モール型と店舗型

売れるECサイトの構築と運営フロー

1.ネットで販売できる商品を準備する

まずは販売できる商品のラインナップが必要です。ネット販売のポイントは初回購入はもちろんですが、いかにリピーター(定期購入者)になってもらうかです。リピーターになってもらう為に美容室にとって相性の良い商品は、消耗品といえるシャンプーやトリートメントです。例えば美容器具(ドライヤーやアイロンなど)は高単価になりますが、商品寿命が長いためリピート購入までの期間が長くなってしまいます。

美容室にとってメインの商材であるシャンプーやトリートメントはもちろん、『ネットで販売できる商品をたくさん用意する』ことは、ECで売上を確保するために大切なポイントになってきます。ECサイトをせっかく運営するなら、オリジナル商材(プライベートブランド)の開発やOEMなどで独自の店販商品をしつつ、美容に関わる商材で自店のコンセプトと合う商材を準備していく事をおすすめします。

『ネットで販売できる商品のラインナップを増やしていく』というのは、購買点数による客単価にも影響します。リアル店舗で客単価をアップするためにメニューを増やす施策をとった事がある美容室は多いと思います。ECサイトでも同じような事が当てはまります。

美容アイテム

2.ECサイト(オンラインショップ)を作る

ここで言うECサイトは顧客だけが買えるクローズドなものではなく、お店に来店された事が無い方でも購入できるECサイトです。ただしECサイトを通常のWEBサイトと同じにしてはいけません。顧客情報やクレジット情報などが関係してきますので、セキュリティに注意する必要があります。決済方法は様々ありますが、まずクレジット決済が出来ないと売上が伸びません。また、リピーターになってもらわなくてはいけませんので、会員登録ができないECサイトでは継続的な売上確保が難しくなります。

すべてオリジナルでECサイトを構築すると作るだけで数百万円かかってしまいます。ECサイトを構築するためのシステムを提供している会社がありますので、利用するのがベターでしょう。ECサイトを構築するためのシステムを提供している会社は、たくさんありますが料金体系や特徴・機能・オプションなどが違います。特に中長期的にどれだけの売上を見込むかで機能面の選定が重要になってきます。初期費用が安いという理由だけで選んでしまうと、後々思ったような運営が出来なくなる可能性もあります。

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ECサイト構築費用の目安は?

美容室の場合、数万円〜100万円程度を目安に出来ると良いでしょう。無料で構築できるサービスもありますが、機能が限られていたり会員登録が出来なかったり、他社の広告が出たりします。本格的にECサイトで売上をたてていくには、弊害がでてきます。

また、窮屈なサイトはユーザービリティにも影響します。せっかくお店でお客様に満足して頂くサービスを提供していてもECサイトでストレスを感じさせてしまう事に繋がります。そして、初期費用だけでなく、月額料金としてオプション機能など発生するものも多いのでランニングコストとして予算を考えておかなければいけません。安かろう悪かろうにならずに、コストを抑えるために機能と合わせて検討する必要があります。

ECサイトの必須機能

ネット販売では、必ず設置しておかなければならない下記のような機能があります。

①ショッピングカート
ネットでモノを買ったことがある方なら買い物カゴやカートのアイコンを目にした事がある方が多いのでは無いでしょうか。このショッピングカート機能はECサイトに必ず必要な機能です。

②決済システム
『クレジット決済』『代金引換』『コンビニ後払い』などのシステムです。決済システムが多いほどユーザーにとって便利で機会損失を防ぐことになります。上記決済方法以外にも、『銀行振込』『PayPal』『電子マネー』などありますが、決済代行サービスによって取扱いが違うのはもちろん手数料も異なります。購入後の入金時期も異なりますので、現金商売と言われる美容室にとっては確認しておいた方が良い項目でもあります。

③セキュリティ
SSL(暗号化通信)と言われるユーザーの個人情報を守る機能です。サイト全体にこの機能があるものもあれば、入力フォームのみがSSLになっているものもあります。GoogleはSSLを推奨している事もありますので、セキュリティ面を考慮する事もふまえ、サイト全体にSSLが機能していると良いでしょう。

Eコーマス

3.コストをシミュレーションしておく

リアル店舗の店販商品の販売とECサイトでは、下記のような経費が余分にかかります。例えば2000円の販売価格で仕入れに1400円かかった場合、お店に残る粗利益は600円です。ネット通販でよくある『送料無料』をしてしまうと他のコストと合わせて赤字になってしまいます。

  • 送料(大きさ・重さ・地域により異なる)
  • 梱包代(ダンボールなど)
  • 決済手数料(代引きやクレジットなど)
  • 発送に伴う人件費

コスト

4.ECサイトへ送客する

一番購入確率の高いユーザーは、店舗で商品を購入されていた顧客です。ECサイトへの送客が一番しやすい層になりますので、店内POPなどの販促物を通じて案内できると良いでしょう。ホームページ・SNS・ブログやメルマガなどからの導線も同じデジタルになり、1タップで遷移できる事から誘導しやすい導線となります。

そして、顧客だけがECサイトで購入するのでは、買う場所が変わっただけで売上げアップに繋がりません。オープンなECサイトの魅力は、来店された事の無い方(何百キロと離れている方)にも販売できるということです。他にも、以前顧客だったお客様が引っ越したり、失客してしまったりとお店に来店されなくなっても、ECサイトで商品を買ってもらえる可能性があるという事です。

新規のお客様をWeb広告で獲得する

お店に来店された事がないユーザーから、ECサイトで自店のシャンプーやトリートメントを購入してもらう為の代表的な施策はWeb広告です。

①リスティング広告
Googleなどで「美容室のシャンプー」などと検索したユーザーに自社の商品を表示させ、クリックしてもらう広告です。ユーザーの欲求が顕在化されていますので、購入意欲の高い傾向にあります。(下画像のように赤枠に出てくるものが広告です)

リスティング広告

②Instagram広告
美容師さんが取り組まれているSNSで、最近ではインスタグラムを使って集客や顧客とのコミュニケーションをとっている方が特に多いように感じます。数千人のフォロワーをもつ美容師さんも珍しくなく、日本でトップクラスにフォロワーが多い美容師さんは20万フォロワー以上と驚きです。Instagramは、感度の高い女性や美容ジャンルと相性の良いSNSになり、広告のターゲティング精度も高いことからSNSの広告ならインスタグラムがおすすめです。

③アフィリエイト広告
広告を出したい企業(美容室)の商品をアフィリエイターさんがメディアやブログなどで紹介してくれ、購入に繋がると報酬をお支払いするといった仕組みの広告です。ネット販売で売上をしっかりと上げていく場合は、特におすすめの広告になります。

アフィリエイト

5.受注フローを整備する

ECサイトで注文が入ると管理画面で確認ができ、ステータス管理を行います。EC担当者が1人ですべてを管理する場合は分かりやすいですが、複数で運営を行う場合『誰がいつ対応するか』がポイントになります。

日常の管理

  1. 注文が入る(メールや管理画面で確認)
  2. 商品を発送する(梱包し宛先を記載)
  3. 入金を確認する
  4. その他(在庫を確認する、発注を行う、問合せ対応、顧客カルテと紐付けなど)

注文が増えると自社内のオペレーションが難しくなってきます。今は発送代行業者も増えていますので、安定して注文が見込めるようになったらアウトソーシングを検討しても良いかもしれません。

EC配送

6.リピート購入の施策

継続的にフォロー用のコンテンツを発信

ECサイトがどんなに優れていようとユーザーが商品を気に入ってくれなければ「もう1度買おう」と思ってもらえません。その為には、購入者に対して適切なフォローを行うことが必要です。シャンプーの場合、意外にも多くの女性は『正しい洗い方』をしていない場合があります。せっかく良いシャンプーを使っていても『乾かし方が雑』で髪を傷める原因に繋がっているかもしれません。

また髪質が綺麗になってスタイリングがしやすくなっても今まで同じヘアスタイルを続けて、ヘアスタイルを楽しめていないかもしれません。シャンプー1つにとってもお客様に提供できる情報はたくさんあります。そういった情報をブログ・動画・メール・LINE@・SNSなどを通じてお届けする事で顧客のロイヤリティが変化します。

顧客と接触するメディアをもつ

ECサイト運営で王道なプロモーションはメルマガです。特に最近では『マーケティングオートメーション』と言われるものが普及し、メールの配信対象やパターン・内容などを最適化しながら自動化するマーケティングが多くなっています。メールと似た位置づけで、ECサイトでもアカウントが持てるようになったLINE@を運用している企業もあります。またInstagramなどのSNSをフォローしてもらえると自然と接触できる機会が増えます。単純にメールでキャンペーン案内を送るだけでなく顧客にリーチしやすいメディアでコミュニケーションをとっていきましょう。

定期購入のプロモーションを行う

美容室の失客の上位にくる理由に『なんとなく』があります。ECサイトの顧客でも『なんとなくアマゾンで買ったり』『気づいたら無くなりかけてたので会社の帰りにドラッグストアで買ったり』してしまいます。このなんとなくの『買い忘れ』を防ぐ仕組みが定期購入です。定期購入をしてもらう為に特典(割引やポイントなど)をつけたり、定期購入者へ事前にメッセージが送ったり、解約のしやすさで安心感を訴求するなどしてプロモーションを行うことで、売上が安定してきます。

EC

7.検証と分析

様々な施策を行うことで購入者の傾向がでてきます。まずはECサイトへの流入を増やしていく施策が必要ですが、最も重要なのは購入者を増やすことです。成果に繋がっているところを最大化し、ボトルネックになっているところを改善するといったPDCAが売上げアップや経費削減となり利益が残ることに繋がります。

特にWeb広告は直接的な金銭的コストがかかります。また、SNS運営の場合は人的コストが負担になりやすくなります。目安になるCPA(顧客獲得単価)もそうですが、LTV(顧客生涯価値)と合わせて分析しながらPDCAをまわせると良いでしょう。

例)流入経路の場合
・購入率の高い流入経路は何か。
・Web広告キッカケのCPAやLTVは適切か。

例)コンテンツの場合
・購入者はどのページを見ているのか。離脱が多いページはどこか。
・フォームの離脱率はどうか。最適化されているか。

例)購入者の場合
・商品毎の再購入率はどうか。
・2回目、3回目4回目の再購入率はどうか。

分析

まとめ

美容室のECサイト運営による売上はとても魅力的です。実店舗の売上を越えるのも無理なことではありません。しかし、まだまだ未知数の多い戦略になりますので、弊社でもサロン様と一緒により多くの成功パターンを見いだせていけたらなと思います。ご興味がある方は、ご相談は無料ですのでお気軽にお問合せください。

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長沼 大樹

メディア運営・分析・LPO・WEB広告などにおいて、様々な企業のWebマーケティングをサポート。Google AdWords 認定資格保持。Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)保持。

2018年5月28日ホームページ運用

Posted by 長沼 大樹